US進学総合研究所

2023年度 大学進学率57.7%(8年連続 過去最高を更新)


2023年12月22日(金)US進学総研

 2023年12月20日、文部科学省より学校基本調査(確定値)の発表があり、2023年度の大学進学率が前年度から1.1%増の57.7%となり、過去最高を8年連続で更新したことが分かった。男女別に見ると、男子1.0%増の60.7%、女子1.1%増の54.5%で、男子は遂に全国平均で60%台に達している。
 高校卒業後すぐの現役だけで計算した「現役大学進学率」や、短大などの進学者を含む「現役大学等進学率」も同様に過去最高を記録しており、各都道府県の動向もあわせて集計してみました。

※2023年度の18歳人口は、1,097,416人(前年より23,869人減)。大学進学者数は、632,902人(前年より2,254人減)

大学進学率が一番伸びた沖縄県は、福岡県を抜いて九州地方で1位へ。男子の大学進学率、山梨県が全国1位へ。

 昨年に引き続き、大学進学率が伸びている沖縄県。2023年度は53.5%となり、福岡県の51.0%よりも高い数値で、九州地方では沖縄県が1位となった。2019年度と大学進学率を比べると、沖縄県は14.9%と率の伸びは全国でダントツ高い。

 この伸び率の理由は、通信制高校の大学進学者が増加したことが大きい。沖縄県以外にも、茨城県・山梨県・鹿児島県・東京都でも影響があるものと考えられる。大学進学率は男子・女子ともに、東京都がずっと全国1位となっていたが、2023年度は男子に限り、山梨県が全国1位となった。この理由についても、通信制高校の大学進学者増加があると考えられる。

2023年度の現役大学進学率は、東京都・京都府・神奈川県がベスト3。沖縄県と山梨県は、大学進学率と現役大学進学率で違いが出ている

 浪人して大学進学を目指す人が少なくなったことにより、現役大学進学率(高校卒業後すぐに大学進学する割合)は、大学進学率に近い数値になってきました。現役大学進学率は、全日制と定時制を対象に集計しており、通信制高校からの大学進学者を含んでいません。

 このように集計されている現役大学進学率ですが、都道府県別に見て、高い数値になっているのは、東京都(71.3%)、京都府(69.6%)、神奈川県(65.5%)となっており、これ以外でも主に大都市圏での進学率が高い数値になっています。大学進学率の山梨県(70.9%)・沖縄県(53.5%)と現役大学進学率の山梨県(56.2%)・沖縄県(42.8%)には大きな差があります。これは、通信制高校からの大学進学者が入るか入らないかの違いが大きくなっています。

2023年度の現役大学(等)進学率は、京都府・東京都・神奈川県がベスト3。進学先に短大や通信制大学短大を含むと京都府が全国1位に

 進学先に短大と通信制大学等を含む現役大学等進学率で集計すると、京都府が全国1位となる。東京都は全日制や定時制高校を卒業後に短大などに進学する生徒が少ないため、このような逆転が起こっています。

 今後は通信制高校からの大学進学者がさらに増えていくことが考えられるため、現在のようなデータだけだと、都道府県別に集計することがあまり意味をなさなくなります。来年度からは、統計の取り方を見直していく必要がありそうです。

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